2016/05/27 (更新日:2016/05/27)
治療院名と治療名のどちらが優先か
ときに治療院は、院名を広めるべきなのか、治療名を広めるべきなのか迷います。
・大手マッサージ店は、安さというメリットを売りにしていますが店名が広く知られています。
・ロングヘアーの女性専門の肩こり治療院は、院名よりも専門性のサービスが広く知られるため、院名の重要度が低です。
・かといって、◯◯市交通事故治療院という治療院名でもあり、治療名のイメージがあるときは同等に扱うべきか。
このように見ると治療院名と治療名のどちらを患者さんに広く知らせて、施術を提供した方が良いのか疑問を感じます。
そして、多くの治療院が行っているのは、経営者の希望により、治療院名を広めたい願望があり、治療院名の中に治療名を広く知らせようとします。
では、その方法が本当に患者さんの集客になるのでしょうか。
患者さんが施術を受けるのは。
治療院に来院する患者さんは、治療院に来たくて、お金を払っているわけではなく、先生が提供するサービスにお金を支払います。それは、治療院にお金を支払っているのではなく、サービスに支払っているという意味です。
もし『治療院』に支払っているのだとしたら、施術も受けずにお金を渡すでしょう。そういう患者さんがいないようにお金の支払い先というのは治療院名にお金を支払っているのではなく、先生の治療やサービスに支払っているということです。
ここで重要度が院名よりも治療名にあることがわかります。患者さんの中にあるイメージは、院名ではなく、治療名です。
治療院業界にある治療院名を広めようとするなぞ。
地域でチラシを配るときに患者さんが欲していることに合わせた治療を提供する内容よりも『治療院名を知られるため。』という目的でチラシを出すことがあります。それがいかに効果を発揮しないかについて説明致します。
例えば、レストランの店名を知っているけど、何をしているかわからない。行こうとも思っていない店はないでしょうか。
これが治療院名を広める戦略の先です。ただ、もっとわかりやすく説明致します。
治療院業界は、治療院名を広めて地域に知られようとする先生が多いですが患者さんにとって、それは優先順位が高いかというと先生にとって高くても患者さんにとっては低く、患者さんが知りたいことは「私に何をしてくれるか?」です。そこに治療院名が入る余地はありません。
チラシからホームページ誘導するケースは、治療院名ではなく、患者さんに提供する治療名となるサービスを認知させることが重要です。その興味が治療院名を知りたい、来院したいという欲求に変わらせるからです。
院名だけを知られた場合は、通りすがり、気になっているけど、来院しない患者さんを増やすだけです。
肩こり治療での先生と患者さんの考え方の違い
そして、治療名に意味を作らないことが他と同等に扱われることについて解説致します。
治療院Aと治療院Bがあるとします。治療院Aは先生の治療院で治療院Bは近所の治療院です。両方とも肩こりの治療をしています。患者さんにとっては、どちらの肩こりの治療もやっていることは同じだと思っています。
ですが、先生に聞くとどちらの治療院も違うと答えます。
患者さんが同じだと思っていることと先生が違うと思っていることに違いがあることが多々あります。
では、先生が虫歯になったときの例で表しましょう。虫歯を治療するためにA歯科とB歯科のどちらに行くかの違いです。どちらもドリルで削り同じでは?と思います。ですがどちらの歯科の先生はこう言います。「やっていることが違う。」と。
治療院の内部にいる方は、違うと言っても優先されるのは患者さんの考えです。我々がホームページを作るときは、常に見ていかなければいけないのは、治療院の内部の考えではなく、患者さんが治療院をどう見ているかです。
成功モデルは大手マッサージ店
それらを上手くやっているのが大手マッサージ店です。
マッサージを30分3,000円で受けられる店があります。それは、とても高いレベルで上手いブランディング戦略を実現されています。
大手マッサージ店は店名より30分2,980円マッサージを売っている。
店名がサービス名になっているように店名を思い出すと『30分2,980円の安いマッサージ』を思い出します。それは、戦略的に会社名がサービス名として確立され、サービス内容が思い出されるブランディングがされております。
これは、ブランディングのやり方として多くの企業が成功してる方法でもあります。
理想は、治療院名、治療名が同じにして、その名前からサービス内容が思い出されることです。
成功を収め、そこまでいったとき、驕り高ぶってしまうと治療院名が集客しているように勘違いをしてしまいます。それが他の治療を増やし、何をしても集客できると思ってしまうきっかけです。
忘れてはいけないのは、治療院名が集客しているのではなく、サービス名とサービス内容が患者さんの欲していることに合致して、治療院名がそれに重なっているということです。
もしも、治療院名にブランドがされているのだとしたら、すべての施術料金を2倍、3倍にしたとしても患者さんは減らないでしょう。もしそうでないなら治療院名にブランドはされないということです。
提供
店名から思い出される30分2,980円のマッサージは、顧客にどのような影響をもたらしているかを考えるとより、店名とブランドが違うことを感じていただけます。
30分2,980円が提供しているのは、安いマッサージではなく、『安い料金で身体をほぐして気持ちよくなれる。』ことです。
疲れた → マッサージ → 安い料金で身体をほぐして気持ちよくなれる。
顧客が欲していること → サービス → 提供
提供を深く理解しているから店名より、サービスを大きく出しています。
ですが、先生は思うでしょう。
「サービスばかり打ち出して、店名が小さいからもっと店名を大きくしたほうが良いのでは。」と。このように店名や治療院名に落とし穴があるのです。
最も極端な例を上げましょう。
治療院を経営し、治療院名と株式会社名が違うとします。
株式会社名を打ち出しても患者さんは知らないと打出しを辞めます。ですがサービスと治療院名の関係になるとどうしても自身の治療と他院の治療の違いが心に残り、違いを院名によって打ち出したくなります。
打ち出すべきは、サービスのはずなのにです。
治療名と治療院名
以上のことから治療院名の打ち出しは、患者さんとの考えの相違があり、サービスのブランドである治療名を打ち出すことが良いことについて記載させていただきました。
治療名はとても重要なことです。
それでもどうしても治療院名を大きく出した方が良いと考えているときは、大きくしたとしても、それでもサービス名より小さくするべきです。