2026/05/08 (更新日:2026/05/08)

新規30→0名。産後骨盤矯正専門院が3ヵ月で消えた失敗の理由とは

失敗事例

  • 毎月、新規30名の産後ママが急に0名に。たった3ヵ月で閉院した治療院の真相。先生の治療院が忙しいのは、実力ですか? それともブームですか?

こんにちは。さこまです。

顧客の成果です。

  • ・月間で新規50名以上集客
    ・過去最高の売上になった
    ・市内No.1の知名度を得た
    ・検索順位で1位になれた
    ・SEOで集客が長期間継続

※詳しくは、成功事例をご覧ください。

「毎月、新規が20名から30名も来ている。このままスタッフを増やせば、もっと売上は上がるはずだ。」

もし、先生がうまくいっていて、成功の度合いを「売上」で判断されて、規模の拡大を「集客数」で達成しようと考えているなら、少し手を止めてこの記事を読んでください。

今回お話は、「産後骨盤矯正」に特化した治療院のあまりに早すぎる終焉の記録です。

その治療院は、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いでした。

治療院を開業されて、肩こり、腰痛などの幅広い症例をみていました。しかし、地域で産後ママが他県に比べると多いことと、治療院のさらなる発展のために「産後骨盤矯正院」となったのです。

内装は、女性好む清潔感あふれるデザインに整え、保育士も常駐。産後ママにとって、理想の治療院となりました。

毎月、新規30名のママさんが3年間も安定して来られました。地域トップの「流行っている治療院」になりました。

しかし、開業から7年目。ある月を境に、30名いた新規客が急に「ゼロ」になりました。

新規が途絶えてから、わずか3ヶ月。その治療院は、あっけなく閉業しました。

なぜ、順調に見えた経営がこれほどまでに、もろく崩れ去ったのか。

本当の理由は、「新規が来なくなったら潰れる」という、砂上にビルを建てたようなリピート構造にありました。

2012年頃から巻き起こった「産後骨盤矯正ブーム」の終焉と共に、彼らが目を背けていた「女性特有の心理」と「専門性の罠」について、現場のリアルを掘り下げていきます。

「これから専門性あるメニューをやろうか」と考えられている先生にとって、明日は我が身の話かもしれません。

なぜ、新規30名が突然0名になった閉業の原因と理由とは

業界でも大成功した治療院だった

治療院のスペックをご紹介します。

  • ・普通の整骨院として成功
    ・整骨院から産後骨盤矯正専門に転換(整骨院→整体院)
    ・院長含む施術スタッフ3名、受付2名、保育士2名
    ・院内は女性が安心するおしゃれなデザイン
    ・ベビールーム、キッズルーム、授乳室完備
    ・施術中は保育士が赤ちゃんやお子様をみる

産後骨盤矯正の専門院として理想形でした。

ママ友同士の会話では、「私、あの治療院に行ってます。」「私も行ってます。」「私も!」という口コミが起こるほど大人気でした。

産後骨盤矯正に転換してから3年間ほど、新規が20名を切ることがなく、多くて40名近い方が来られました。

産後骨盤矯正の業界事情

2012年~2018年頃まで、治療院業界では産後骨盤矯正が盛んに行われてました。

この頃は、新たな自費の施術サービスが次々に生まれたからです。頭蓋骨の調整、姿勢や猫背矯正、肩甲骨はがし、美容鍼、筋膜リリース、小顔矯正など。

その中でも、産後骨盤矯正は交通事故・むち打ちの次にブームになったといっても過言ではありません。

  • 【産後骨盤矯正が導入されやすかった理由】
    ・自費の施術であること(自費移行しやすい)
    ・産後骨盤矯正でリピートが取りやすい
    ・お子様やご家族まで施術に来られる
    ・ママ友の口コミで紹介が広がりやすい
    ・回数券8回、12回がすぐに売れやすい

他の施術に比べて、数回のセミナーで技術をものにでき、単価が高く、リピートが取りやすく、紹介が増えやすいということで、自費移行が初心者な治療院でも最初に導入されるケースも多かったです。

治療院のホームページ制作でも、肩こり、腰痛、頭痛などの基本症例の次に産後骨盤矯正ページをつくるかつくらないかといった具合でした。

院長が施術サービスの一つとして産後骨盤矯正を始められたり、女性スタッフが1つのベッドを産後骨盤矯正専門で抑えたり、治療院を産後骨盤矯正の専門にシフトするところまでありました。

閉業理由:スタッフ3名と保育士2名の人件費

開業7年目にして、急に新規が0名になり、3ヵ月という短い期間で閉業しました。

この3ヵ月は壮絶でした。

1ヵ月目、急に新規が来なくなり「なぜ誰も来なくなったのか」と調べてみると、近隣に女性スタッフが産後骨盤矯正専門の施術サービスを始められてました。

そのとき、院長は「数ある症例を対応した中で産後骨盤矯正をしているから、専門のうちには勝てない。こっちは、産後骨盤矯正しかしていない。」と考えてました。

2ヵ月目も同じく新規が0人のまま。リアルの紹介よる新規も完全になくなったのです。

SEOが下がったのか調べてみるも順位は変わりませんでした。先生は、焦ってPPC広告を始めましたが、結果は変わらず。

そして、運命の3ヵ月目。先生は、このままでは閉業すると焦ってホームページの編集や広告費の拡大を始めました。

そのとき、すでに遅かったのかもしれません。スタッフにも給料が支払えず、この月でお金が尽きることが判明しました。

治療院には多いことですが、会計をしっかりやっていなかったため、急な資金不足に直面したのです。

口座のお金がなくなり、スタッフにお金を支払うことができなくなって気づいたのでしょう。翌月まで経営が続けられないということを。

最後の2週間は、寝る間を惜しんで考えられる対策をされてましたが、閉業の日を迎えました。

スタッフには、給料を支払うことができず、取引先の広告費や物品支払いができませんでした。お客様の未消化となった回数券を残したまま、店舗を閉じることになりました。

最終的には、借金もあったため自己破産をされて終焉しました。

閉業の原因:女性心がわからない男性院長

近隣の治療院で女性スタッフが産後骨盤矯正を行う治療院が現れて、お客様が一気に流れた原因がありました。

それは、男性が産後骨盤矯正を行うという致命的な欠点でもあります。

①女性心がわからない院長だった。

「女性は、話を聞いてもらいたい」と思って、施術のときに話をしているのに、院長からアドバイスをされるのです。

そして、話の内容から院長の経験則による決めつけがあり、女性客から不満を持たれてました。

②女性の悩みを男性の先生に話しづらい。

不妊や産後の悩みは、女性特有の問題となるので、「男性の先生に話せない」という潜在的な悩みがありました。

「男性院長の産後骨盤矯正」と「女性スタッフの産後骨盤矯正」では、性別で後者が選ばれやすかったのです。

③毎月20~30名の新規が定着していなかった

毎月30名も新規が3年間も来られていたら、1,080名が来られる計算になります。

30名 × 12ヶ月 × 3年 = 1,080名

1,080名のリピートや紹介を考えれば、新規0名になってもたった3ヵ月で閉業することは、なかなか考えづらいです。

「そもそも、産後骨盤矯正だけで終わってしまった」
「リピートや紹介がうまく取れていなかった」
「新規30名が急に0名になる何かを抱えていた」

もしかしたら、地域の女性が団結する何かが、この治療院にはあったのかもしれません。

産後骨盤矯正専門から学ぶ3つの教訓

専門性のリスク:柱が一つしかない

産後骨盤矯正の専門院は、強みを他院に取られれば、その時点で経営は破綻します。

ご紹介の治療院が閉業したのは、「産後骨盤矯正しかしない」という専門性にしたからです。

  • 私が推奨する専門性とは、一般症例をみつつ、その中でも先生が好き、楽しい、得意とする専門性を持ち、抜きんでた強みを持つことです。

たとえば、産後骨盤矯正専門という強みを持ちながら、肩こりや頭痛などの一般症例にも対応することで、強みで新規を集めて、院内では幅広い顧客層を獲得することで経営を安定させます。

女性専用の産後骨盤矯正にしてしまうと、旦那様やお子様が紹介したくても受け入れられず、産後骨盤矯正が終われば、卒業してしまいます。

美容外科のように一人当たりの単価が数十万から数百万円になるようなら問題ないでしょうが、治療院は1回当たり3,000円~8,000円で施術が終わるまで5~10万円前後です。

女性専用の産後骨盤矯正は、狭めすぎると紹介とリピートが取れないというビジネスモデルとして破綻してしまうのです。

この状態で地域に新たな治療院が、上位互換の産後骨盤矯正院を開業したなら、厳しい競争が始まります。

成長と拡大をはきちがえた

「スタッフの人数を増やすこと」が成長だと勘違いしたことです。

新規20~30名は、一人院長にとっては大成功ですが、院長と5人のスタッフがいる治療院には将来的な不安を感じる人数です。

経営が破綻する3週間前になるまで、院長が動き出さなかったというのは「口座にお金がない」ことを自覚したからです。

それは、会計がしっかりされていなかったことがわかります。

新規20~30名でリピートが取れる構造でないのに、楽観的にスタッフを増やしすぎた結果、急な収益停止で会社が持たなくなりました。

うまくいくと、「人を増やす」ことが社会貢献だと考え、収益を増やして、店舗拡大で雇用人数を増やす傾向がありますが!

「店舗数や人数が増えることは会社の成長になるとは限りません。」

拡大したから成長するというわけではないということです。

「そこしかなかったから行った」

ちょっと残酷な話をします。

もし、その地域で治療院が1店舗しかなければ、その治療院に行きます。

院長の態度が悪くても、相性が合わなくても、話を聞いてもらえなくても行きます。

ビジネス成功の指標を売上だと思っている方には落とし穴があります。

顧客のフィードバックを得ないままだと、地域の方の不満はずっと蓄積され続けます。

顧客から嫌われていても気づかないということです。

不満を抱えた顧客の心の中では「他があったらそっちに行きたい」と思ってます。

ライバルがない段階では、問題が表面化してません。指標となる売上に変化がないからです。

しかし、地域で不満の声を聞いた治療家がいたらどうでしょうか。「対応のよい治療院を開業したら流行る!」と確信が得られます。

いざ、店舗を開業したときには「もう、あんな嫌な思いをしたくない!」と新しい治療院に流れ込みます。

すると、1店舗目の治療院は売上が低迷して、そのときに「今までの対応が悪かった」と反省しても時すでに遅しです。

リピーターは、根こそぎ新たな治療院に行ったら戻ってきません。

地域で悪い口コミが広がる中で新規を獲得しなければならないというハードモードに突入するわけです。

まとめ:選ばれ続ける理由はありますか?

「他にない」という強力なイノベーションは、時に経営者の目を曇らせる諸刃の剣となります。

今回、ご紹介した治療院は、決して特殊なケースではありません。

「集客」に頼り切ると、目の前のお客様一人ひとりと向き合うことがおろそかになってしまいます。

本質的な信頼関係をつくることができず、結果的に競合の出現という、わずかなきっかけで今まで築き上げたものが崩れていくのです。

もし今、先生の治療院が新規集客に恵まれているのなら、一度立ち止まって自問してみてください。

その新規客は、あなたの「技術や人柄」に惹かれていますか? それとも「近いから」「メニューが流行っているから」ですか?

明日から新規予約が止まったとして、既存のお客様との繋がりだけで1ヶ月、2ヶ月と経営を維持できますか?

経営の真の安定は、数字上の拡大ではなく、お客様との間に築かれた代わりの効かない信頼の積み重ねです。

ブームは必ず終わります。

先生の治療院が10年、20年と愛され続けるための転換点になることを祈ってます。

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